エッジ検出・エッジ強調・ぼかし
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【エッジ検出】
まず、エッジ検出の考え方ですが、
以下のように隣のピクセル値との差分を取る事が基本的な考え方です。

実際には、画像は2次元なので、
上下左右のピクセルとの差分を取るために次のようなフィルタを用います。
0 | -1 | 0 |
-1 | 4 | -1 |
0 | -1 | 0 |
| = |
| + |
| + |
| + |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上との差分 | 左との差分 | 右との差分 | 下との差分 |
これとは別に次のようなフィルタを用いる場合もあります。
(斜め方向のエッジも検出できるフィルタです。)
-1 | -1 | -1 |
-1 | 8 | -1 |
-1 | -1 | -1 |
-1 | -2 | -1 |
-2 | 12 | -2 |
-1 | -2 | -1 |

上の絵(↑)のエッジ検出したものが下記(↓)です。

(エッジの方向によって色を付けています。)
【シャープネス(エッジ強調)】
エッジ強調には次のようなフィルタを用います。
0 | -1 | 0 |
-1 | 10 | -1 |
0 | -1 | 0 |
上下左右の 3x3 ピクセルの値が下記であったとします。
P-1,-1 | P-1,0 | P-1,1 |
P0,-1 | P0,0 | P0,1 |
P1,-1 | P1,0 | P1,1 |
(10*P0,0 - P-1,0 - P0,-1 - P0,1 - P1,0) / (10-1-1-1-1)
エッジ強調には、これとは別のフィルタが用いられる場合もあります。
たとえば下記。
-1 | -1 | -1 |
-1 | 10 | -1 |
-1 | -1 | -1 |
-2 | -2 | -2 |
-2 | 32 | -2 |
-2 | -2 | -2 |
実際に、やってみましょう。
[エッジ強調前](元データ)

上(↑)のエッジ検出がこれ(↓)です。

[エッジ強調1-1] |
|


ほんの少し、エッジが強調されています。
フィルタ係数を少し変えてみましょう。
[エッジ強調1-2] |
|


前よりもクッキリしました。
もう少しフィルタ係数を変えてみましょう。
[エッジ強調1-3] |
|


だんだん鮮明になってくる気がします。
もう少し変えてみましょうか。
[エッジ強調1-4] |
|


ここまでやると、やり過ぎな感じです。
人為的な修正部分が目立ち過ぎて、自然さが失われたようです。
本来なら目立たないはずのノイズが強調によって目立ってしまい、
そのような不自然さを感じるのかもしれません。
念のため、もう少しフィルタ係数を変えてみましょうか。
[エッジ強調1-5] |
|


これはもう、『エッジ強調』というより『エッジそのもの』です。
というのは、次の式が成り立ちます。
|
= |
|
* 2.5 |
ここまでの「フィルタ係数の微調整」をまとめると、こんな感じになります。
|
「オリジナル画像とエッジ成分の比率を変えている」
わけですね。
そして、エッジ成分の比率を上げるとエッジが協調される、と。
別のフィルタ係数でも同じ事をやってみましょう。
[エッジ強調2-1] |
|


[エッジ強調2-2] |
|


[エッジ強調2-3] |
|


[エッジ強調2-4] |
|


【ぼかし】
『エッジ強調』は「オリジナル画像」に「エッジ成分」を加える事でした。
『ぼかし』の場合は、逆の事をすれば良いわけです。
たとえば、次のようなフィルタが用いられます。
1 | 1 | 1 |
1 | 5 | 1 |
1 | 1 | 1 |
フィルタというのは何も 3x3 に限ったわけではなく、
次のような 5x5 が用いられる場合もあります。
1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
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